パターの重心位置が打球に与える影響

パターの重心位置が打球に与える影響

重心の深さと高さが、打感と安定感を決める。

パターのヘッド内部で、重さがどこに集まっているか、つまり重心位置は、打感や芯を外したときの安定感に大きく影響する要素です。
今回は、重心位置がパッティングに与える影響についてお話しします。

重心は、外から見ただけでは判断できない、いわばパターの内側の設計です。
しかしその違いは、構えたときの感触やミスへの寛容度にはっきりと表れます。

同じように見えるヘッドでも、内部の重量配分ひとつで打感やミスへの寛容度は大きく変わります。
まずはその仕組みを見ていきましょう。

重心の深さと慣性モーメント

重心が浅い位置にあるヘッドは、ソリッドでダイレクトな打感が得られやすい一方、芯を外したときのブレが大きくなりやすい傾向があります。
反対に重心を深く設計したヘッドは、慣性モーメントが高まり、多少芯を外してもヘッドがブレにくく、方向性が安定しやすくなります。
重心の深さは、ヘッドの奥行きだけでなく、内部の肉厚配分によっても細かく調整されており、モデルごとに異なる特性を持たせることができます。
削り出し加工だからこそ、この内部設計を精密にコントロールできます。

重心の高さとインパクトの質

重心の高さも、インパクトの質に影響します。
重心が低いヘッドは、ボールの下側を捉えやすく、順回転がかかりやすいとされる一方、重心が高いヘッドは、打点による性能差が出にくいという特徴があります。
マレット型のモデルは、フランジ全体に重量を配分することで、重心を安定させやすい構造になっています。

低重心と高重心のどちらが優れているというわけではなく、求める球の転がり方によって適した設計は異なります。

自分がボールを上から捉えるタイプなのか、それとも払うように捉えるタイプなのかによっても、相性の良い重心の高さは変わってきます。

重心角(トゥハング)との関係

重心位置は、トゥハングの数値にも表れます。
トゥハングの大きさを決めているのは、重心がシャフト軸を中心としてどの角度方向にあるか、という位置関係です。
シャフトを軸にヘッドを自由に吊るすと、ヘッドは重心が最も低い位置、つまりシャフト軸の真下にくるまで回転します。
この回転した角度が、そのままトゥハングとして現れます。

アドレス状態のときすでに重心がシャフト軸の真下に近い方向にあるモデルは、吊るしてもほとんど回転する必要がなく、トゥハングは小さくフェースバランスに近い状態になります。
反対に、重心がその方向から角度的に大きくズレているモデルほど、ヘッドは大きく回転してトゥ側が沈み込み、トゥハングは大きくなります。

つまりトゥハングの数値は、重心がシャフト軸に対してどの方向にあるかを外側から読み解くひとつの手がかりでもあります。
スペック表の数字を見るときは、こうした背景も意識してみると理解が深まります。

重心とトゥハング、二つの視点を持つことで、ヘッド単体のスペック表からも、そのパターがどんなストロークに向いているのかをある程度読み取れるようになります。

ここがポイント

重心が深いほど安定しやすい:
慣性モーメントが高まり、芯を外したときのブレが小さくなります。

重心の高さも打点に影響する:
低重心はつかまりの良さ、高重心は打点差の出にくさにつながります。

ネック形状で重心は変化する:
ロングネックやショートネックの違いが、重心設計を左右します。

見えない重心を、削り出しで作り込む

重心位置は、外から見ただけでは分かりにくい要素ですが、打感や安定感を大きく左右します。
ZENITHでは、航空宇宙部品加工で培った精密な削り出し技術によって、設計通りの重心をミリ単位で再現しています。
目に見えない部分へのこだわりが、構えたときの安心感と、打ったときの信頼感につながっています。

見えない部分にこそ、削り出しパターの真価が表れます。
ぜひ実際に手に取って、その違いを確かめてみてください。

打感や安定感の違いは、言葉で説明するよりも、実際に構えて打ってみる方が伝わりやすいものです。
フィッティングスタジオで、その差をぜひ体感してください。