ブレを抑える力が、ミスへの寛容さを生む。
これまでの記事でも度々触れてきた慣性モーメントについて、今回はあらためて詳しくお話しします。
慣性モーメントの高いパターとは、どのような特性を持つのでしょうか。
形状やネック構造の話とも深く関わってくる、パター選びの締めくくりにふさわしいテーマです。
慣性モーメントとは何か
慣性モーメントとは、物体が回転運動に対してどれだけ抵抗するかを示す指標です。
パターにおいては、インパクト時にヘッドがどれだけねじれにくいかを表す特性として使われます。
慣性モーメントが高いヘッドは、芯を外した打点であっても、フェースが開いたり閉じたりしにくく、まっすぐな挙動を保ちやすくなります。
慣性モーメントを高める設計
慣性モーメントを高めるには、重量をヘッドの外周部、つまりトウとヒールに配分することが効果的です。
中心から離れた位置に重さを置くことで、回転に対する抵抗力が増します。
マレット型やネオマレット型が、慣性モーメントの高いモデルとして展開されることが多いのは、この外周部にウェイトを配置しやすい形状だからです。

高い慣性モーメントが向いているプレイヤー
慣性モーメントの高いパターは、打点が安定しない方や、パッティングを始めたばかりの方にとって、結果のばらつきを抑えてくれる心強い味方になります。
一方で、慣性モーメントが高いほどヘッドが動きにくくなるため、フェースローテーションを積極的に使うストロークタイプには、やや扱いにくく感じられる場合もあります。
自分のストロークタイプとの相性を見極めることが大切です。

形状・ネック・重心設計、すべてがつながっている
ここまで見てきたヘッド形状、ネックの構造や長さ、重心深度、そして慣性モーメント。
これらはそれぞれ独立した特性ではなく、互いに関係し合いながら、一本のパターの個性を形づくっています。
だからこそ、ひとつの数値だけにとらわれず、全体のバランスを踏まえてフィッティングを行うことが大切です。
ここがポイント
慣性モーメントはねじれにくさを示す指標:
芯を外してもフェースが開閉しにくく、まっすぐな挙動を保ちやすくなります。
外周部にウェイトを配置することで高まる:
トウとヒールに重量を配分する設計が、慣性モーメントを高めます。
ストロークタイプとの相性を見極めることが大切:
安定感を求めるか、操作性を求めるかで、適した慣性モーメントは異なります。
数値だけでなく、自分の感覚と照らし合わせる
慣性モーメントは、パターの性能を語るうえで重要な指標ですが、高ければ高いほど良いというわけではありません。
ZENITHでは、フィッティングを通じて、慣性モーメントを含めたさまざまな特性を、自分のストロークと照らし合わせながら一本を導き出しています。