削り落とされる9割以上の金属にも、意味がある。
ZENITHのヘッドは、約4キログラムの金属の塊から削り出されて生まれます。
完成したヘッドの重さは、およそ350グラム。
今回は、この大きな重量差の背景にある工程についてお話しします。
数字だけを見ると単純な引き算のようですが、その内側には、精度と設計に対する強いこだわりが詰まっています。
9割以上が、削り落とされていく
4キログラムのインゴットから350グラムのヘッドが生まれるということは、実に9割以上の金属が、切削の過程で削り落とされているということです。
この削り落とされる金属の量の多さこそが、削り出しパターの複雑さを物語っています。
効率だけを考えれば、これほど多くの素材を無駄にする製法は選ばれにくいはずです。
それでもこの方法を選ぶのは、精度とディテールを最優先しているからにほかなりません。

粗加工から仕上げまで、段階を追って形にする
加工は、大まかな形を削り出す粗加工から始まり、徐々に精度を上げながら仕上げへと進んでいきます。
一度に理想の形まで削り込むのではなく、複数の工程を経ることで、金属内部に余計な歪みを与えずに、正確な形状を作り上げていきます。
この過程で、フランジの丸みやトウの柔らかなラインといった、削り出しならではのディテールが少しずつ姿を現していきます。
削る量は、設計上の判断によって決まる
削り落とされる部分は、単なる余分な金属ではありません。
どこを、どれだけ、どのように削るかという判断そのものが、ヘッドの重心設計や打感を決定づけています。
だからこそ、粗加工の段階から仕上げに至るまで、あらかじめ定められた設計データに沿って、一定の精度で削り進めていくことが欠かせません。

重量とバランスは、削る量で微調整される
ヘッドの総重量やスイングバランスは、削り込む量をわずかに調整することで、最終的な仕上がりに合わせ込まれていきます。
トウ側を多めに残すのか、ヒール側を削り込むのか、ソール部の肉厚をどう配分するのか。
こうした微妙な調整の積み重ねが、フィッティングで求められる重心位置や振り感を実現しています。
350グラムという数字はあくまで目安であり、実際にはプレイヤーごとの仕様に応じて、削る量そのものが細かく変えられています。
同じ図面をもとにした二本であっても、フィッティングで求められる振り感がわずかに異なれば、削り込む深さや残す肉厚も変わってきます。
数値の裏側にある、この微調整の積み重ねこそが、削り出しパターの精度を支えています。
ここがポイント
9割以上が削り落とされる:
4キログラムのインゴットから、350グラム前後のヘッドが生まれます。
段階を追って加工する:
粗加工から仕上げまで、複数の工程を経て正確な形状に近づけていきます。
削る量は設計上の判断で決まる:
重心設計や打感を左右するからこそ、設計データに沿った精度が求められます。
一本のヘッドに込められた、削る技術
4キログラムから350グラムへ。
この大きな変化の裏には、金属加工のプロ集団が培ってきた、削る技術の蓄積があります。
ZENITHでは、この工程の一つひとつに、精度と設計への強いこだわりを込めています。