手元の位置ひとつで、実際に効くロフトは変わる。
パターのロフト角も、ライ角と同じように、既製品の標準値がすべてのプレイヤーに合うとは限りません。
今回は「ダイナミックロフト」という考え方をもとに、なぜパターのロフト角を調整する必要があるのかについてご紹介します。
以前、パターにおけるロフト角の役割についてご紹介しましたが、今回はもう一歩踏み込み、ロフト角と、インパクトで実際にボールへ伝わるロフトの違いに焦点を当てていきます。

ロフト角の役割をおさらい
グリーン上のボールは、ストロークによってわずかに芝へ沈み込んでいます。
パターのロフト角には、この沈み込んだボールを適度に持ち上げ、過度な跳ねを抑えながら、スムーズに順回転へ移行させる役割があります。
ZENITHでは、モデルやフィッティングに応じて1~5度程度のロフト角を設定しています。
ここでいうロフト角は、パターを静止させた状態で測定する、いわば**設計上のロフト(静的ロフト)**です。
しかし、実際のパッティングでは、この数値どおりのロフトがそのままボールに伝わるわけではありません。
そこで重要になるのが「ダイナミックロフト」です。

ダイナミックロフトとは?
ダイナミックロフトとは、静的なロフト角ではなく、インパクトの瞬間に実際にボールへ作用しているロフトのことです。
そして、このダイナミックロフトに大きく影響するのが、インパクト時の手元の位置です。
例えば、手元がボールより前に出た状態、いわゆるハンドファーストでインパクトを迎えると、シャフトが前方へ傾くことでフェースが被った状態となり、ダイナミックロフトは小さくなります。
反対に、手元がボールより後ろに残った状態でインパクトを迎えると、フェースが起きた状態となり、ダイナミックロフトは大きくなります。
つまり、
同じロフト角のパターでも、インパクト時の手元の位置によって、実際にボールへ伝わるロフトは変わる
ということです。
手元の位置は、プレイヤーによって違う
ハンドファーストの度合いは、グリップの仕方やアドレスの姿勢、ストロークの特徴などによって、一人ひとり異なります。
強くハンドファーストでインパクトする人もいれば、手元の位置をあまり変えずにインパクトを迎える人もいます。
そのため、同じ「3度」のパターを使っていても、実際にボールへ伝わっているロフトが同じとは限りません。
標準ロフトは、一定の手元の位置やインパクト条件を想定して設計されています。

だからこそ、自分のインパクトでどれだけロフトが変化しているのかを知ることが重要になります。
ダイナミックロフトを基準に、静的ロフトを調整する
では、どうすればよいのでしょうか。
ポイントは、プレイヤーのダイナミックロフトを計測し、その数値を基準に静的ロフトを調整することです。
例えば、ハンドファーストの傾向が強いプレイヤーの場合、静的ロフトを大きめに設定することで、インパクト時のダイナミックロフトを適正な範囲へ近づけることができます。
逆に、手元が後ろに残りやすいプレイヤーであれば、静的ロフトを適切に調整することで、インパクト時に過剰なロフトが付くことを抑えることができます。
つまり、重要なのは「何度のパターを使うか」だけではなく、
「インパクトで実際に何度になっているか」
なのです。
ZENITHでは、インパクトを計測します
ZENITHでは、CAPTO+MVP2000+Quinticを使用し、インパクト時の手元の位置やダイナミックロフトなどを計測します。
そのデータをもとにフィッターがプレイヤーのストローク特性を確認し、一人ひとりに適した静的ロフトを導き出していきます。
そして、その数値をパターのロフト角として削り出し加工で正確に反映します。
これは、単純に「標準ロフトから何度変える」という考え方ではありません。
その人のインパクトに合わせて、実際に機能するロフトをつくる。
それがZENITHのフィッティングです。
ここがポイント
ロフト角には、ボールを適度に持ち上げる役割があります。
ただし、HP上のロフトは、あくまで静止した状態での設計値です。
ダイナミックロフトは、インパクト時の手元の位置によって変化します。
ハンドファーストなら小さくなり、手元が後ろに残れば大きくなります。
だからこそ、ダイナミックロフトを基準にロフトを考えることが重要です。
プレイヤー自身のインパクトに合わせて、静的ロフトを調整します。
角度の違いが、ボールの転がりを変える
ロフト角の調整は、数字だけを見ると「たった数度」と感じるかもしれません。
しかし、パターではそのわずかな違いが、ボールの転がり出しや初期の順回転、さらには距離感にも影響します。
ZENITHでは、フィッティングを通じて一人ひとりのダイナミックロフトを計測し、そのデータをもとに最適な静的ロフトを導き出します。
もし距離感やボールの転がり出しに違和感を感じているのであれば、パターのロフトを「HP上の数字」だけで考えるのではなく、インパクトの瞬間に実際に何度になっているのかという視点から見直してみてください。
自分のストロークに合ったロフトを知ることは、パター選び、そしてフィッティングの精度を高める大切な要素のひとつです。
「何度のパターを選ぶか」ではなく、「自分のインパクトで、何度が必要なのか」。
ZENITHは、その答えをフィッティングデータから導き出します。